前回の「非ネイティブのための様々な校正方法」に続き、Part2では前回で説明した校正方法に対する詳しいプロセスと、注意すべき事項を紹介したいと思います。

Part1で、非ネイティブの人がどこでどうやって英作文の校正を受けることができるか、その色んな方法について紹介しました。その中でも、正確で簡単に自分の英作文を校正する方法は、リリースされている様々なオンラインサービスを活用することでした。「Engram」、「Grammarly」、「ProWritingAid」などのオンライン英語校正サイトは、自分が書いた英文章を無料で簡単に修正してくれる大きなメリットがあります。

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Engramの無料英文チェッカーと英文校正ツールを使用して、翻訳機の物足りない結果を校正・添削してみましょう。 文法、正書法の誤りとあいまいな英語表現をAIが自然に校正します。

オンライン自動校正サービスを利用するとしても、英語で文章を作成するのは結局自分なので、英文法、規則、書式などを守ることが重要です。そうしないと、後で校正に時間がかかり、文脈を把握できずよくない校正結果が出る可能性があります。これは専門の校正士に任せた場合も同じです。基本的に草案が整えているこそ、文脈と意味を把握し正確な校正が可能となります。

今回は、文章を書いて1次校正をする際、どういったところを重点的に検討すればいいかについて紹介します。

校正プロセス(Proofreading process)


校正プロセスに関する主な要素を紹介します。

  1. 文法、スペル、大小文字および句読点の間違い
  2. 論理的な欠陥
  3. 文章の流れと一貫性の問題
  4. 繰り返される表現
  5. 一貫性に欠ける部分
  6. 書式の間違い
  7. 論題の妥当性と関連性

文法、スペル、大小文字および句読点の間違い(Spelling、grammar、capitalization、and punctuation mistakes)


文章を校正する際に確認しなければならない最も番基本的な要素は、スペル、文法、大小文字、句読点の間違いです。こういった基本的なミスが多い場合、読者からの信頼度が低下することはもちろん、まともに読むことを期待できないでしょう。

文章の基本的な要素をチェックするため、オンライン英文校正サービスである「Engram」、「Grammarly」などのツールを利用する方法があります。ただし、必要以上に誇張された文体や不慣れな文法構造で作成しないようにします。言語の目的は意思や考えを明確に伝えることです。

自ら確実に表現できる文法・文章構造を使って作成することをお勧めします。この他にも、論理的な欠陥、文章の流れと一貫性の問題、論題の妥当性と関連性についても確認しなければならない重要な要素です。

Spelling error: The commitee (x) / committee (o) voted for the abolition of the import tax.
Grammar error: The list of changes are(x) / is (o) posted on the bulletin.
Capitalization: I graduated from the University of cambridge (x) / Cambridge(o) in 2020.
Punctuation: While he ran with the torch(x) / torch (o), Ian was desperately looking around for a place to set it down.
出典: Getty Images

論理的な欠陥(Logical holes)

校正において2番目の段階は、文章と段落の内容から論理的な欠陥を探して修正することです。文を書く際には、読者がその内容を理解できない可能性が常にあると念頭に置いた方がいいです。

論理的な欠陥のある文章を書くライターは、読者がすでにその内容について大体知っていると仮定する傾向があります。したがって、各文章が個別的に論理的なのか、各段落が合理的で理解しやすくなっているかを確認する必要があります。

英語を母国語としない場合には、作成した文章が自分の母国語としても論理的で理解しやすいかを確認した方がいいです。 以下は、文章レベルで論理的な欠陥がある例です。

Logical error: Milk is an affordable drink, but (x) / so(o) many people consume it.​

多くの人にとって牛乳の価格が安いから、簡単に買って飲めるという表現です。しかし、修正前の文章では、「but」という接続詞を使ったので論理的に間違っています。このように論理的な欠陥を英作文中に見つけることは非常に重要です。こうすることで、読者が内容を容易に理解し、論理的な欠陥によって内容が散漫になることを防ぐことができます。

文章の流れと一貫性の問題(Flow and cohesion flaws)

文章を校正するとき、文の流れに一貫性があるか確認することは重要です。全般的な文の流れを事前に書いておいた場合、文章が計画に合わせて作成されているか確認します。事前に計画がなかった場合は、核心内容を要約してみると、一目で全体的な流れを把握することができます。

また、読者を説得するような文を作成する際、各段落の論証が論理的な順序(A-B-C)に繋がっているか確認します。段落の論証順序が無作為に続く場合(K-A-Z)、論証の順序を調整する必要もあります。その後、流れの一貫性を確認し、論証がすべての主張を裏付けているか確認します。

こうすることで、読者が文を読む時、全体的な流れを把握して理解することができます。

繰り返される表現(Repetitive language)


繰り返される語彙や概念を修正することは、文章が単調で退屈にならないために重要です。同義語や代名詞で繰り返される単語を修正したり、単純に一部の単語を省略することでこういった問題を解決することができます。

The students did an experiment that involved mixing vinegar and baking soda. They noticed that the mixture would bubble up and fizz.

2つの連続した文章が同じ単語で始まり、類似な文章構造になった場合、2つ目の文章の主語を代名詞に変えることができます。次の例を見てみましょう。

Regina had her sons when she was fresh out of college. The mother of two was strong and independent, working multiple jobs to get by.

2つ目の例で、主語の代わりにその役割、もしくは社会的地位などに置き換えて表現することもできます。

他の代案としては、2つの文章が同じように始まらないように、2つ目の文章の構造を変更する方法があります。

Regina had her sons when she was fresh out of college. Working multiple jobs to get by​, Regina was strong and independent.​

最後に、3つ目の例文を見てみましょう。

The owl was beautiful and exquisite. The exquisite owl can stand on one foot for hours

連続した2つの文章で同じ形容詞が使われ、文法的には問題はないですが、単語の選択に変化を与えることで、文章がより滑らかになります。「exquisite」のような類義語や類似した意味の他の単語に置き換えることができます。

The owl was beautiful and exquisite. The ethereal bird can stand on one foot for hours.

表現が繰り返される場合は、単語を変えるか文章構造を変更して簡単に修正できます。もし、語彙力に自信がなかったり、文章構造に対する知識が浅い場合には、英語コンテンツをより多く接することで文章力を自然に引き上げることができます。

概念的水準で同じ内容が繰り返される場合は、不要な内容やアイデアが繰り返しているかチェック する必要があります。必須的と考えれる部分を除いて、繰り返される内容はを省略した方がいいです。例えば、伝えようとする内容が"Apples are healthier treats for horses than carrots"なら、当該論文全体で同じ内容を何度も繰り返す必要はありません。

出典: Dorin Tamas's Images

一貫性に欠ける部分(Inconsistencies)

直接作成した文に一貫性がなければ読者は集中することができず、信頼度を失うことになります。 以下では、文章を作成する際に一貫性を維持しなければならない様々な要素を紹介しています。

(1) Type of English

作成する前に、英語作文の色んなスタイルの中でいずれかを選択し、一貫的に適用する必要があります。例えば、イギリス式の英語からアメリカ式の英語に急に変わると、文章の意味や流れに一貫性を確保することができません。また、英語作文のスタイルを決定すると、スペル、コンマ・ピリオドの使い方、語彙、文法、日付・略語、の使用有無などに影響を与えることになります。 例え、「Mr.」、「Ms.」、「Dr.」などの略語にピリオドの使い方が異なる場合があります。

Inconsistent: The chameleon is skilful at changing the color of its skin.
Consistent: The chameleon is skillful at changing the color of its skin. (American English)
Consistent: The chameleon is skilful at changing the colour of its skin. (British English)

(2) Contractions

文章を作成する前に、縮約形を使うかどうかについて決める必要があり、公式的な文書を作成する場合は、縮約形を使用してはいけません。公式文書でなければ、縮約形の使用はオプションとなりますが、 作成する文全体に一貫して適用する必要があります。

Inconsistent: Most wavelengths of UVB can’t penetrate glass while UVC rays cannot pass through the ozone.
Consistent: Most wavelengths of UVB cannot penetrate glass while UVC rays cannot pass through the ozone.
Consistent: Most wavelengths of UVB can’t penetrate glass while UVC rays can’t pass through the ozone.

(3) Numbers

作成のスタイルに合わせて、一部の数字の範囲については一貫した方式で作成する必要があります。例えば、APA・AP Stylebookは1~9の数字を英語スペルで書き、10以上については数字で表記します。MLAの方式は、短い(1~2)単語で書ける数字については英語スペルで表記し、(例:four、eleven、sixty-three、one hundred、three million)、その他は数字で表記します。 (例:9%、729、4,926、32,000,000)

Inconsistent: I have 11 blue marbles and twelve red marbles.
Consistent: I have 11 blue marbles and 12 red marbles. (APA)
Consistent: I have eleven blue marbles and twelve red marbles. (MLA)

(4) Time format

時間を表す数字と午前/午後の表示は、一貫的に表記する必要があります。つまり、同じ文書では、同じ形式で表示します。

Inconsistent: The meeting will be at 02:00PM, and the dinner gathering will be at 6 p.m. Make sure to prepare all meeting materials by 13:30 because we will start promptly at 2PM.
Consistent: The meeting will be at 2:00PM, and the dinner gathering will be at 6:00PM. Make sure to prepare all meeting materials by 1:30PM because we will start promptly at 2:00PM.

(5) Currency format

同様に通貨表記についても、一貫性を維持する必要があります。表記するたびに形式が変わると読者が混同することになります。

Inconsistent: The company paid $10K USD for the consultation and USD 85,000 for the renovation.
Consistent: The company paid $10K USD for the consultation and $85K USD for the renovation​

(6) Special characters

文章を作成するときに頻繫に使用するハイフン、エムダッシュ・エンダッシュ、括弧、大括弧などの特殊文字も一貫的に表記します。たとえば、数値範囲にハイフンの代わりにエンダッシュを使用する場合は、文全体に一貫して適用します。

Inconsistent: The monkeys consumed 1-4 apples when given the placebo and ​11–12 apples when given the drug.
Consistent: The monkeys consumed 1–4 apples when given the placebo and 11–12 apples ​when given the drug.

(7) Acronyms and proper names

略語と名称も一貫性を保つ必要があります。 例え、論文の一部でNASAと表記した場合、他の部分でN.A.S.A.のように表記しないように注意します。

Inconsistent: The US government made it mandatory for U.S.A. citizens to register for jury duty.
Consistent: The US government made it mandatory for US citizens to register for jury duty.

(8) Other

作成する文のすべての領域で一貫性を維持しなければなりません。論文の一部でウイルスを生物体として定義した後、別の部分で生物体ではないように表現することは一貫性と信頼度を低下させます。したがって、英作文を作成するにあたってすべての内容を検討し、一貫性に欠けないようにします。

出典: Getty Images Signature

書式の間違い(Formatting mistakes)

英作文では、APA、MLA、AP Stylebookなどの色んなスタイルの中から一つを選択して書くことになります。各スタイルは、フォント、文法、余白、参照方法、タイトルページの、ヘッダー、ページ番号の形式など、様々な書式に影響を与えます。したがって、作成中にこれらに対して一貫性を維持しないと、不注意で読みづらい文になってしまうことがあります。

文章を作成する前に書式について詳しく知りたい場合は、「Engram」ブログの「 日本人が間違えやすい英文法 19 – ライティングフォーマット(Formatting)」を参照してください。

論題の妥当性と関連性(Strength of argument(s) and relevancy)

作成した文の論理と流れをチェックした後は、主張や説得の論理を再度検討し、読者との関連性についても考えてみましょう。もし、主張や説得の論理が不足している場合は、より強力な根拠や例示を追加し主張を裏付けるようにします。

また、事実関係の確認が必要とする場合は、校正段階で徹底的に事実確認をしないといけません。 もし、小説を書くなら、関連性はそれほど重要ではないですが、研究論文やニュース記事を書く場合なら、対象読者と現時代にどれほど関連があるかを確認する必要があります。

作文において最も重要なことは、校正プロセスの前段階をこまめに実践することです。こういった検収プロセスは、作文の改善に大きな役割を果たします。一度の校正プロセスだけでも文章を大きく改善できるということを忘れないでください。

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参考資料:

What Is Proofreading? A Guide for Non-native English Speakers - Part 2. Proofreading Process
In Part 1, we shared several proofreading methods that non-native English speakers can use to refine their writing. In Part 2, we’ll dive deeper into the process and precautions involved in using these correction techniques.