英文 チェッカーは、英語で作成した文章から文法ミス、またはぎこちない語彙を認識し、間違った表現に対する代案を提示します。 MSワードやGoogleドッグスで文書を作成する時、間違ったところを表示し、これに対する代案を提示するのと似ていますが、スペルチェックにとどまらず、文法ミスまで確認してくれる特徴があります。

英文 チェッカーは、英語メール、英語論文、英語エッセイ、英文報告書など、英語で書かないといけない文書を作成する際に、文法ミスやぎこちない表現を校正することをその目的として活用されます。また、TOEFLライティングやOPic試験のスクリプト作成練習にも役に立ちます。

このブログ記事では、現在リリースされている英文 チェッカーの中でも、英語を母国語としてしない非ネイティブの方に特に有用な英文 チェッカーをいくつか紹介します。

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背景

私が2016年にアメリカAmazonのシアトル本社でシニアプロダクトマネージャーとして働いていた頃に、本当に大量の英文書を作成していました。 Amazonの人材像とも呼ばれる「Leadership Principles」には"Leaders are right a lot"という項目がありますが、この項目を私たちは"leaders write a lot"で読むべきだと言ったりしました。 私が所属しているチームの役員は、プロダクトマネージャーを「docwriter(文書作成家)」だと常に言っていたのです。

Amazonは、プロダクトマネージャーに6枚の文書を作成させることで新しい製品を提案するようにします。この6枚の文書は、絵や表などを排除してWordで作成し、完全な英語文章(complete sentence)として作成しなければなりません。会議に参加したすべてのメンバーがこの文書を10分ぐらい読んでから会議が始まります。

私は、この文書の作成と会議を3年近く経験しました。 英語を母国語としてしない私には、この文書の作成と会議が苦痛の連続でした。 文書に含まれたアイデアだけではなく、英語の文書としての水準を厳しく評価されました。 記者出身だった上司は、私の文書を検討するたびにその大部分の文章に赤いペンで線を引きながら、文法が正しくないと指摘しました。さらには私の文章が「choppy」(途切れ途切れ)だとのフィードバックを受けたこともあります。文書の作成に数週間もかかり、その中で何十回も修正を繰り返しました。 とある日のミーティングでは、私が所属しているチームの役員(ハーバード大学出身の白人女性で当然ネイティブの人)が、私の書いた文章の中で一部を大声で読んでから、怖い目でその文章がどういう意味なのか聞いたこともありました。英語を母国語としてしない方には、こういった状況がどれほど辛いか簡単に想像できると思います。

私は、当時リリースされていた色んなソフトウェアベースの英文 チェッカーを使ってみましたが、役に立った英文 チェッカーはありませんでした。 あの頃私は、人工知能(AI)や機械学習(machine learning)に興味深くて、時代はもうとアルファ碁(AI)とイ·セドルの世紀の対決が繰り広がるというのに、まともな英文 チェッカーが存在しないことがよく理解できませんでした。

しかし、今になって英文 チェッカーの水準は、あの頃とは比べ物にならないほど発展し、その中には周りに推薦できるものもあります。そこで、現時点で様々な英文 チェッカーを評価し、その結果をもとに英語を母国語してしない方にお勧めできる英文 チェッカー紹介したいと思います。

結論

以下の3つの英文 チェッカーをお勧めします。

  1. Engram
  2. Quillbot
  3. Grammarly

推薦の理由

英文 チェッカーを評価する際、まず初めに考慮しなければならないことは、同然と言えますが英語の文法上のミスをどれほどよく校正してくれるかの問題です。英語メールはもちろん、英語で作成しないといけない報告書、学校の課題、自己紹介文に英文法のミスが多ければ多いほど、作成者の能力に対する評価は低くなるでしょう。そこで、とりあえず下記の7つの英文 チェッカーに対してテストを行いました。

  • Grammarly(グラマリー)
  • Quillbot(クイルボット)
  • ProWritingAid(プロライティングエイド)
  • Ginger(ジンジャー)
  • Trinka(トリンカ)
  • Wordvice(ワードバイス)
  • Engram(エングラム)

それぞれの英文法チェッカーに文法ミスの存在する以下の5つのテスト文を入力してその結果を確認しました。

  1. Do you have exercise?
  2. We don’t go to California in a long time.
  3. Look at the below chart.
  4. I had no choice but to go bank.
  5. He recommended the other one with cheaper price.

そして、アメリカ在住で勉強もしくは仕事をしている非ネイティブ(英語を母国語としていない)に上記の英文 チェッカーに対する評価と意見を求めました。その結果をまとめ「Engram」、「Quillbot」、そして「Grammarly」を最終選択しました。

評価の詳細

Grammarly

Grammarly(グラマリー)は、最も有名な英文 チェッカーです。 2009年に初めてリリースされたGrammarlyは、最近大きな投資を受けて飛躍的に成長しました。 英語文法チェックや校正機能だけではなく、ユーザーエクスペリエンス(UX)部分にも非常に高い水準を遂げています。Chrome、Outlook、iOSアプリなど、様々なプラットフォームに対応しているため、ユーザーのプラットフォームに最適化されたユーザーエクスペリエンスを提供します。

Grammarlyは、無料バージョンとサブスク形の有料プレミアムバージョンがあります。プレミアムバージョンは、月額$30のサブスク費用がかかりますが、より高い水準の校正結果を提供します。テストでは、プレミアムバージョンを使用しました。

Grammarlyは、ネイティブとネイティブではないすべてのユーザーにとって非常に性能が高いサービスですが、ネイティブでない人がよく間違えるミスを逃す傾向がありました。

  1. Do you have exercise? → Do you have exercise? (無視)
  2. We don’t go to California in a long time. → We don’t go to California for a long time.
  3. Look at the below chart. → Look at the below chart. (無視)
  4. I had no choice but to go bank. → I had no choice but to go bank. (無視)
  5. He recommended the other one with cheaper price. → He recommended the other one at a lower price. (意味が変わる)

Grammarlyは、テスト文で間違いを無視することがけっこう多かったです。 しかし、最後のテスト文章に対して、より自然な語彙を提案する部分は、かなり役に立つと判断しました。

Quillbot

Quillbot(クイルボット)は、英文 チェッカー(grammar checker)とparaphraser(意訳)の機能を両方備えています。 テストした結果、paraphraserの機能が英文 チェッカーよりテスト文をより自然な文章に校正しました。以下は、テスト結果です。

  1. Do you have exercise? → Do you get any exercise?
  2. We don’t go to California in a long time. → We haven't been to California in quite some time.
  3. Look at the below chart. → Take a look at the graph below.
  4. I had no choice but to go bank. → I was forced to go to the bank. (意味が変わる)
  5. He recommended the other one with cheaper price. → He suggested the other one, which was less expensive.

ちょっと残念な点は、「paraphraser機能」が原文の意味を変えてしまう場合(上記の4番文章) があるとのことです。

ProWritingAid

ProWritingAid(プロライティングエイド)は、私の記憶でGrammarlyとともにサービス期間が最も長い英語校正チェッカーです。結論的に、ProWritingAidの校正結果は、Grammarlyとほぼ同じ水準でした。

  1. Do you have exercise? → Do you have exercise? (無視)
  2. We don’t go to California in a long time. → We haven’t went to California in a long time.
  3. Look at the below chart. → Look at the below chart. (無視)
  4. I had no choice but to go bank。 → I had no choice but to go bank. (無視)
  5. He recommended the other one with cheaper price. → He recommended the other one at a cheaper price. (意味が変わる)

校正結果がGrammarlyと似ているレベルならば、ProWritingAidよりはもっと多様な語彙を提案し、ユーザー経験もより豊富なGrammarlyをお勧めします。

Ginger

Ginger(ジンジャー)も、かなり長い間運営されているサービスです。 英文 チェッカーの性能は、ProWritingAidとほぼ似ていました。

  1. Do you have exercise? → Do you have exercise? (無視)
  2. We don’t go to California in a long time. → We don’t go to California in a long time. (無視)
  3. Look at the below chart. → Look at the below chart. (無視)
  4. I had no choice but to go bank. → I had no choice but to go the bank. (適切に校正)
  5. He recommended the other one with cheaper price. → He recommended the other one with cheaper price. (無視)

校正性能がProWritingAidとほぼ同じ水準だったので、同じ理由からGingerよりは、Grammarlyをお勧めします。

Trinka

Trinka(トリンカ)は、英文校正サービスイナゴ(enago)が発売したソフトウェアベースの英文校正サービスです。 以下は、テスト結果です。

  1. Do you have exercise? → Do you have exercise? (無視)
  2. We don’t go to California in a long time. → We don’t go to California in a long time. (無視)
  3. Look at the below chart. → Look at the chart below. (適切に校正)
  4. I had no choice but to go bank. → → I had no choice but to go bank. (無視)
  5. He recommended the other one with cheaper price. → He recommended the other one with cheaper price. (無視)

テストの結果、ほとんどの文法ミスを無視する傾向がありました。したがって、Trinkaも私の推薦対象からは排除しました。

Wordvice

Wordvice AI(ワードバイスAI)は、ワードバイス英語校正サービスをベースとしている無料英文 チェッカーです。 以下は、テスト結果です。

  1. Do you have exercise? → Do you have exercise? (無視)
  2. We don't go to California in a long time. → We have been to California a long time. (否定文を肯定文に変更、文法上の誤りあり)
  3. Look at the below chart. → Look at the chart below. (適切に校正)
  4. I had no choice but to go bank. → I had no choice but to go to the bank. (適切に校正)
  5. He recommended the other one with cheaper price. → He recommended the other one at a cheaper price. (意味が変わる)

テストの結果、正しく校正することもけっこうありましたが、否定文を肯定文に変えたり、原文の意味をちょっと変えたりする場合がありました。したがって、Wordviceも推薦対象からは排除しました。

Engram

Engram(エングラム)は、リリースされてからあまり時間が経っていないので、まだ一部の方しか知られていません。しかし、他の英文 チェッカーが見逃す部分をきちんと校正することが確認されました。 以前は、Pcanpiという呼ばれましたが、最近Engramにサービス名を変更しました。

  1. Do you have exercise? → Do you exercise?
  2. We don’t go to California in a long time. → We haven't been to California in a long time.
  3. Look at the below chart. → Look at the chart below.
  4. I had no choice but to go bank. → I had no choice but to go to the bank.
  5. He recommended the other one with cheaper price. → He recommended the other one with a cheaper price.

上記のようにEngramの結果は、原文の意味を変えずに文法の誤りを校正し、非ネイティブがまれにミスする部分まで自然な英語表現を提案することがわかります。

まとめ

このブログでは、色んな英文 チェッカーについて紹介してきましたが、現時点で完璧な英文 チェッカーは存在しないかもしれません。 アメリカでMBA課程にいる私の知人は、EngramとGrammarlyの両方を使用して最適な提案結果を探すと言います。英語を母国語としていない方には、こういった英語校正チェッカーを十分活用するのもいいでしょう。

もし、たった1つの英文法チェッカーを使いたいなら、私はEngram英文 チェッカーをお勧めします。 英語が母国語としない方が難しい文法と慣用語、そしてネイティブだけが知っている自然な英語表現を駆使することに大きく役立つと思います。

英文 チェッカーエングラムは、以下のリンクから利用できます。

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参考資料:

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